こんばんは、小池正昭です。
今日は午後から、成田市役所で開催された「成田用水事業推進協議会」の総会に顧問として出席しました。
この「成田用水事業」ですが、新東京国際空港、現在の成田空港の建設が決定し、反対闘争が激化する中、地元地域の振興策として北総台地の産業の柱である農業の振興策の大きな柱として位置付けられました。
国や県は水源に乏しい空港周辺の大地に利根川から送水して農業の振興を図ろうと計画したのが「成田用水事業」ですが、その管路延長は33km、受益面積は成田市、多古町、芝山町、横芝光町の1市3町で約3,300haという規模で、受益面積内の組合員の方々によって「成田用水土地改良区」が法人化され運営されています。
これまで地域を支えてきたこの事業も最近では老朽化が進み、平成31年度から予定されている改築事業を計画的に進めなければなりませんが、「成田空港の更なる機能強化」によって受益面積の一部が新たに空港敷地となることが決定し、約300haもの農地が減少してしまうという事態に直面しています。
今年度当初で千葉県内には土地改良区が191団体ありますが、規模の小さな土地改良区においては、その運営が厳しさを増していることなどから、規模拡大を目指した統合や再編、または解散などの動きがあります。
土地改良区として3,000ha程度の規模が運営上好ましいとの考え方がある中で、「成田用水土地改良区」において受益面積が減少するという事は大きな問題であり、新たに空港建設が進められることで管路の付け替えなど大規模な変更を余儀なくされることとなります。
成田空港周辺においては、国が1970年(昭和45年)に制定した「新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律」(成田国際空港に改称したことで”新東京国際空港”を”成田国際空港”に変更)、通称”成田財特法”によって、国の財政支援が行われてきたところで、この「成田用水事業」も”成田財特法”による財政支援を受けて整備されました。
その後、空港建設当時から現在に至るまで環境の変化もあり、”成田財特法”も期限を切って5年ずつの延長を繰り返してきましたが、今回の「成田空港の更なる機能強化」は、10年程度の長期にわたる事業でもあり、周辺地域の道路や河川などを含めた整備にも同様以上の期間を要することから、その法律の延長幅を5年ではなく10年とすべきとの意見が県をはじめ各方面から出されてきました。
これに対して国では、今年度末が期限となっている”成田財特法”の延長をこれまでの5年から10年とすることで国会審議がなされることとなり、県及び地元地域としては一定の安心感を得つつあるところですが、過去の経緯からしても「成田用水事業」の改築がその適用となることへの期待感も大きく持っているところです。
成田空港の歴史は、特異なものです。
地域が議論に全く参加できないままに空港建設が進められ、現在に至るまで多くの問題を積み上げてきてしまいました。
その歴史を目の当たりにしてきた身として私は、今回の「成田空港の更なる機能強化」を進める上では、同じ轍を踏むことのないように成田空港の地元で政治に携わる身として、その責任を痛感しているところであり、空港と地域の”共生共栄”を目指した各種の事業が展開されるべきと考えています。
引き続き空港の発展と共に、地域の将来の姿を描きつつ地元の様々な問題に取り組んで参る所存です。
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