台風19号が過ぎ去って
こんばんは、小池正昭です。
千葉県は台風19号によって再び大きな被害がありました。台風15号の復旧が進まない中ではありましたが、これまでで最強クラスといわれた大型で勢力の強い台風の襲来には、行政や関係機関も早めの対策が打たれていたと感じています。
千葉県では、1万2,000人体制をとり各市町村に事前に職員を配置するなど、県下全域での情報の収集伝達機能を強化していたと思います。
私の地元成田市でも成田市居住の職員が2名常駐し、市の災害対策本部が置かれた市役所の大会議室で県庁との連絡にあたっていました。市内の地理的知識も持ち合わせる職員の配置は適切であったと感じました。
昨日、市内の各避難所を見て回った際に感じたのは、市の職員がしっかりと対応してくれていたという事。ただし、小中学校ではなく公民館を避難所として開設しているところには少し疑問を持っていました。
台風が大型で最強クラスという情報があった中で、仮に「避難指示」が出された場合にその収容能力が小さく駐車場も十分にない事、また日常の訓練などの際には学校を避難場所として指定している事、いざとなった時に必要な備蓄品がある防災倉庫は各小中学校にある事、成田市内は住民にとって各小中学校の方が近距離である場合が多い事、などが理由です。
私自身も風雨が強くなり始めた夕方には、これ以上外を回るのは危険と判断し自宅に戻り備えましたが、台風が接近し暴風域に入ったと思われかつ暗くなってから新たに市内の各小中学校が避難所として開設されました。これに対して私は、SNSでどうしても避難を余儀なくされた場合を除き、その段階での外出は控えるべきとの情報を発信しました。
結果的に成田市内には、当初の公民館など11箇所に加えて、市営の体育館など2箇所と、27の小中学校が新たに避難所として開設されました。市民としては多くの場所が開設された事を好意的に感じる部分もあるかもしれませんが、職員などの限られた人員の効率的配置、連絡体制、開設するタイミングなど、台風にような事前に予想できる災害への対応としては場当たり的となってしまったように感じています。
幸いにも避難指示に至らず、被害も重大な事案が報告されていないため安堵していますが、災害のたびにその対応はしっかりと検証しておく必要があると感じたところです。
さて、今回の台風被害は過去最大の広い範囲に被害をもたらしましたが、その原因の一つが大量に降った雨です。特に台風によって太平洋の湿気が日本列島の陸地の高い山地にぶつかりその付近に豪雨をもたらしました。そして台風が大型であったため、台風の中心が近づく前からその傾向があり、降雨が長時間となったと思います。
一方で千葉県内は大きな高い山がなく、最も海に近い地理的な条件もあって降水量は他の被災地に比べれば少ないものであったと思います。
ただ、台風一過で天気が回復した中で悩まされたのが、利根川下流域での増水です。
今日の午前中の段階で水位の上昇が止まらず、成田市では場合によっては住民の避難が必要となる可能性があると判断し、早い段階から浸水などが想定される地区の避難所の再開設を指示していました。偶然、市の災害対策本部にいた私は、その判断を正にしている場に居合わせて適切な状況判断がなされていると心強くも感じたところです。
その後結果的には、午後5時半過ぎ、国土交通省が利根川下流域の稲敷市で「避難判断水位」に達したと発表したのを受けて、成田市を含む浸水の想定区域にあたる自治体では【警戒レベル4】の避難勧告を発令し、多くの住民が避難を開始しました。
成田市内では、事前に準備した8箇所の避難所に多いところでは一時500人くらいの方々が避難し、安全を確保していました。その後、水位の上昇が収まり始め自宅へ戻られた方々も多かったのですが、実際にここまで広範囲にかつ多くの住民の方々が一時的にも避難されたという事実は、今後の災害への対応にもしっかりと役立てて行く必要があると感じたところです。
何よりも水位が低下し大事に至らなかったのが幸いです。
県外では、多発した河川の決壊により甚大な被害が発生し多くの方がお亡くなりになり、依然として行方不明者も多数いらっしゃいます。
被害の全容が明らかになるまでには時間を要することとなりますが、先ずは必要な復旧に全力で当たらなければなりません。
令和元年という年が、歴史的災害に見舞われた年として後世に残ることとなってしまいましたが、いずれ来る未来においてこの時点からしっかりと歩みが進んだと評価される防災力を備えるように私自身も政治に携わる責任において尽力してまいります。
台風接近前から既に4日間、地元の成田土木事務所では、所長以下職員の皆さんが家にも帰らず24時間体制で対応にあたってくれています。ここに、県職員、そして市民の最も身近なところで同じく24時間体制で避難所の運営を始め対応していただいている成田市職員の方々にも心から感謝をしたいと思います。
そして、今日の日中には自衛隊第一空挺団の方々が、成田市内をくまなく回って電線や倒木の状況などを見て回ってくれていました。その姿を見て改めて心強く感じたところです。その他関係機関の方々にも感謝申し上げます。
発生したばかりの大災害、これから行政や関係機関が引き続きその対応に優先的にあたって行かなければなりません。国、県、市町村、そして自衛隊をはじめ関係機関の方々、何卒よろしくお願いいたします。
| 固定リンク
コメント